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2025.12.22
グループIIIベースオイルの最新動向と阪和興業の供給体制
2025年も終盤を迎え、潤滑油業界では高性能化の流れが加速しています。その中で、グループIIIベースオイルは低硫黄・高粘度指数を特徴とし、
エンジンオイルや高性能潤滑油の主要原料として需要が拡大しています。
ベースオイルの分類と特徴
ベースオイルはAPI分類で主に グループI・II・III に分けられます。
グループI:溶剤精製で製造。硫黄含有量が高く、粘度指数は80~105程度。コストは低いが、酸化安定性や低温特性は劣るため、主に工業用潤滑油やグリースに使用。
グループII:水素化精製で製造。硫黄含有量が低く、粘度指数は90~120。酸化安定性が向上し、自動車用潤滑油にも広く採用。
グループIII:高度水素化分解+水素化精製で製造。硫黄含有量は極めて低く、粘度指数は120以上。低温流動性・酸化安定性に優れ、省燃費規格対応の高性能オイルに最適。
阪和興業の取り組み
阪和興業では、横浜に自社グループIIIタンクを構え、安定した在庫管理と迅速な国内供給体制を整えています。これにより、輸入リードタイムの短縮と安定供給を実現し、
国内のお客様に競争力ある価格とサービスを提供しています。さらに、再生ベースオイルやバイオベースオイルの提案も強化し、環境対応ニーズにもお応えします。
今後の展望
2026年に向けて、グループIIIの需要はさらに拡大が見込まれます。加えて、阪和興業ではグループIIベースオイルの在庫販売も検討中です。
幅広い製品ラインアップで、お客様の多様なニーズにお応えできる体制を構築してまいります。
ベースオイルに関するご相談や製品選定のサポートも承っております。
詳細は阪和興業株式会社・化学品部までお気軽にお問い合わせください。
2025.12.16
生物発酵法で作るドデカン二酸
1年前にセバシン酸の記事を記載しましたが、今回はドデカン二酸についてです。
ドデカン二酸は二塩基酸の一種で、炭素数12個からなる長鎖二塩基酸で、セバシン酸と同じく生物発酵法でCATHAYは製造しています。
生物発酵法
①ノルマルパラフィンを微生物(菌)が食べます。
②その菌から排出される酸を分溜工程を経て、DC10からDC18までの異なる炭素数の二塩基酸の製造を可能としています。
また製造工程では、生物が活発に動けるよう常温常圧になっています。
常温常圧であるために化石燃料の燃焼が抑えられることで環境負荷への貢献も期待できます。
食品ではよく聞く”発酵”という技術。化学の分野でも活かすことができることは驚きです。
CATHAYは、中国内に3か所工場を構え、年間約10万トンという世界最大の二塩基酸生産能力を誇ります。こうした大規模な生産体制に加え、今後もさらなる増産を計画しており、グローバル市場での安定供給とシェア拡大に積極的に取り組んでいます。
弊社とCATHAY社は10年以上にわたるお付き合いの中で、現在はセバシン酸およびドデカン二酸を中心に国内各所に在庫拠点を設けながら販売しております。
特に最近はBCP(事業継続計画)の観点から、代替品や2社購買を検討する国内企業も多く、問い合わせの数が大幅に増えてきております。
今後さらなる市場のニーズに応え取り扱い量を倍増させていくために、国内在庫拠点の拡充を図っています。
環境に配慮した、そして供給力のあるCATHAY品二塩基酸で市場をリードしていきます。
2025.10.07
SAP樹脂とは?
1. SAP樹脂とは?
SAP樹脂(Super Absorbent Polymer/高吸水性樹脂)とは、水分を大量に吸収・保持することができる高分子化合物の総称です。
主にポリアクリル酸ナトリウムなどの架橋高分子から構成されており、水分を吸収するとゲル状に変化し、液体を閉じ込める性質を持ちます。
この特性により、SAP樹脂は紙おむつや生理用品、携帯トイレ、保冷剤など、液体の保持が求められる製品に広く使用されています。
吸水量は自重の数百倍にも達し、吸収した水分を漏らさず保持できる点が大きな特徴です。
また、SAP樹脂は吸水速度や保持力、ゲル強度などを調整することで、用途に応じたカスタマイズが可能です。
2. SAP樹脂の効果
SAP樹脂は、吸水性に優れた素材として多くの製品に活用されています。
①高吸水性と保持力
少量で大量の水分を吸収・保持できるため、製品の軽量化やコンパクト化が可能です。液漏れを防ぎ、使用者の快適性向上にも寄与します。
②多用途性
紙おむつ、携帯トイレ、保冷剤など、幅広い分野で活用されており、製品の機能性向上に貢献しています。
③カスタマイズ性
粒径や架橋構造を調整することで、吸水速度やゲル強度などを用途に応じて最適化できます。
3. 当社がご紹介できるSAP樹脂メーカー
①衛星化学股份有限公司(Satellite Chemical Co., Ltd.)
国籍:中華人民共和国(中国)
用途:衛生品(おむつなど)
特徴:シェールガス由来のエタン・プロパンからオレフィンを製造し、それをもとにアクリル酸、エステル、SAPなどを一貫して製造しております。
従来のナフサ分解法と比較して、原料コストが安価であり、製品の価格競争力に優れている点が特徴です。
②青島SOCO新素材株式会社(Qingdao SOCO New Material Co., Ltd.)
国籍:中華人民共和国(中国)
用途:保冷剤を初めとした特殊用途
荷姿対応:パウチ・パックタイプ/20㎏袋/500㎏フレコン/ISOタンクコンテナ
※詳細は取引内容により都度確認が必要となります。
特徴:青島SOCO製SAP樹脂は、優れた吸収性能を特長としており、吸収率の高さが際立っています。
また、小口対応にも柔軟で、年間使用量が少量のお客様に対しても問題なく対応可能です。
さらに、当社では国内複数拠点にSOCO製品の在庫を保有しており、国内在庫体制を整えることで、安定した供給を実現しております。
4.青島SOCOが取り扱う主なSAP樹脂製品
阪和興業では、中国 青島SOCO社製のSAP樹脂を展開し、保冷剤や携帯トイレ等の幅広い用途向けに多様なグレードを取り扱っています。
青島SOCO社は2009年設立の専業メーカーで、SAP樹脂の研究から始まった会社のため、品質が良く、他SAPよりも比較的吸収率が高く、添加率を下げることでコストメリットが見込めるという特徴があります。
当社が取り扱う主なSAP樹脂製品は以下の通りです:
SNN580H:高吸水×高速型
>> 純水で約430 g/g、3分吸水で約200 g/gを目安とする高い吸水性能と初期吸水速度を備え,
少量添加でも効果を発揮します。漏水一次固化や保冷剤など、迅速なゲル化が求められる用途に適しています。
SNN813:バランス×保持型
>> 純水で約400 g/gの吸水に加え、0.7 psi 下の吸水や遠心後の保持率も良好で、ゲルの安定性に優れます。
長時間の形状保持や止水材など、“吸水後の安定”を重視する用途に適合します。
SNN800F:抗菌・消臭機能型
>> 抗菌・消臭の機能を付与し、ポータブルトイレをはじめとする衛生用途での採用実績があります。
臭気対策と吸収固化を同時に求める場面で有効です。
SAP樹脂に関するご相談や製品選定のサポートも承っております。
詳細は阪和興業株式会社・化学品部までお気軽にお問い合わせください。
2025.09.08
脂肪酸エステルとは?
1. 脂肪酸エステルとは?
脂肪酸エステルとは、脂肪酸とアルコールをエステル化反応(脱水反応)によって結合させた有機化合物で、潤滑性・耐熱性・溶剤性に優れた特性を持ちます。
潤滑油基油の中ではGr.5に分類され、金属加工油や機械油、化粧品原料など多様な分野で活用されています。
近年では、環境負荷の低減や塩素系可塑剤からの代替を目的とした用途で注目されており、特に低粘度かつ高引火点という特性を持つグレードは、安全性と加工性能の両立が求められる現場で高く評価されています。
これにより、作業環境の改善や環境規制への対応にも貢献する素材として、脂肪酸エステルの導入が進んでいます。
韓国のKwangWoo社は、脂肪酸エステルの専業メーカーとして1989年に設立され、POSCO向けを中心に国内外へ製品を供給しています。
阪和興業では、KCCブランドとしてKwangWoo社製品を取り扱い、金属加工油業界に向けた環境対応型ソリューションの提案を強化しています。
今後、サステナビリティへの関心の高まりや規制強化に伴い、脂肪酸エステルの需要はさらに拡大することが予想されます。
用途に応じたグレード選定や供給体制の整備が、より重要なテーマとなっていくでしょう。
2. 脂肪酸エステルのメリット・デメリット
脂肪酸エステルは、潤滑性・耐熱性・溶剤性に優れ、金属加工油や化粧品原料など多様な用途で活用されています。
特に、低粘度かつ高引火点のグレードは、安全性と加工性能の両立が求められる現場で高く評価されています。
メリットとしては、塩素系可塑剤からの代替が可能であり、環境負荷の低減や作業環境の改善に貢献します。また、植物由来原料を使用することで、サステナビリティにも寄与します。
一方で、デメリットとしては、原料価格の変動によるコスト影響や、既存油剤との相溶性の確認が必要な場合がある点が挙げられます。
導入にあたっては、性能とコストのバランスを見極めることが重要です。
3. 当社の取扱い脂肪酸エステル群と取り組み事例
● 取扱い脂肪酸エステル群
阪和興業では、韓国KwangWoo社製の脂肪酸エステルを「KCC」ブランドとして展開し、金属加工油や化粧品原料向けに多様なグレードを取り扱っています。
KwangWoo社は1989年設立の専業メーカーで、POSCO向け油剤の供給を背景に、潤滑油・脂肪酸エステルの製造に特化した技術力と安定供給体制を有しています。
当社が取り扱う主なエステル製品は以下の通りです:
KPE-HLD250C:オレイン酸イソトリデシル(触媒)
>>低粘度・高引火点の特性を持ち、加工油業界で注目されるグレード。現在、他社製品の供給が不安定な中、需要が集中しています。
KPE-HLD250:オレイン酸ネオペンチルグリコール
>>潤滑性と熱安定性のバランスに優れ、幅広い加工油用途に対応可能です。
KPE-TO50P:トリオレイン酸トリメチロールプロパン
>>潤滑性に優れ、金属加工油用途に適した高性能エステル。
KPE-N18:ジオレイン酸ネオペンチルグリコール
>>耐熱性と安定性に優れた構造で、加工油用途に対応。
KPE-IOO:オレイン酸イソオクチル
>>低粘度で溶剤性が高く、幅広い用途に対応可能。
KPE-SP80:ソルビタンオレイン酸
>>化粧品原料や界面活性剤用途にも対応。
KPE-MCT810:C8/C10トリグリセリド
>>低粘度で化粧品や食品分野にも応用可能。
KPE-IOP:パルミチン酸2エチルヘキシル
>>皮膚刺激性が低く、化粧品や潤滑用途に適したグレード。
これらの製品は、国内在庫(東京・名古屋・大阪)にて1ドラムから対応可能で、柔軟な納期対応と安定供給を実現しています。
また、KCC社の工場併設研究所による製品開発・成分分析サポートも可能で、用途に応じた処方提案や技術支援も行っています。
さらに、上記以外のグレードについてもカタログ掲載品やお問い合わせベースでの提供が可能です。
KCC社では新規エステルの開発にも対応しており、特定用途に合わせたカスタム処方のご相談も承っております。既存製品にとどまらず、柔軟な技術対応が可能な点も当社の大きな強みです。
● 取り組み事例
原料調達の競争力
>>KCC社の親会社であるBuhmwoo社が脂肪酸・アルコールなどの原料をメーカーから直接調達しており、ターム契約によりコスト競争力を確保しています。
安定供給体制
>>韓国浦項での製造に加え、国内にも在庫拠点を持つことで、供給不安が広がったコロナ禍においても安定供給を継続した実績があります。
小口対応の柔軟性
>>国内在庫をドラム単位で販売しており、1ドラムからの対応が可能です。東京・名古屋・大阪の拠点を活用し、迅速な納品を実現しています。
開発・分析サポート体制
>>KCC社は工場と研究施設が併設されており、製造から開発、成分分析まで一貫して対応可能です。用途に応じた処方提案や技術支援も行っています。
こちらに記載のない脂肪酸エステルのご紹介も可能です。詳細は当社・化学品部までお気軽にお問い合わせください。
2025.07.31
アミンとは?
1. アミンとは?
アミンとは、アンモニア(NH₃)の水素原子が炭化水素基に置き換わった構造を持つ有機化合物の総称です。
基本的には、1級アミン(1つの炭化水素基)、2級アミン(2つ)、3級アミン(3つ)に分類され、それぞれ異なる反応性や物理的性質を持ちます。
アミンは、医薬品、農薬、界面活性剤、染料、ガス処理剤など、非常に幅広い分野で利用されており、現代の化学産業において欠かせない存在です。
特に工業用途では、アミンは酸性ガス(CO₂やH₂Sなど)の吸収剤として活用されることが多く、天然ガスの精製や炭素回収技術(CCUS)において重要な役割を果たしています。
代表的なアミンとしては、MEA(モノエタノールアミン)、DEA(ジエタノールアミン)、MDEA(メチルジエタノールアミン)などがあり、それぞれ吸収能力や再生効率、腐食性などの特性が異なります。
また、アミンは金属加工油や洗浄剤、化粧品原料としても使用されており、製品の性能向上や環境負荷低減に貢献しています。
2. アミンのメリット・デメリット
アミンは多用途にわたる有機化合物であり、産業界において非常に重宝されていますが、その一方で取り扱いには注意が必要な側面もあります。
メリット
1) 高い反応性と選択性
アミンは酸性ガス(CO₂、H₂Sなど)との反応性が高く、ガス処理や炭素回収において非常に効率的です。
特にMDEAなどは、H₂Sに対する選択吸収性が高く、再生時のエネルギー消費も抑えられるため、運用コストの削減にもつながります。
2) 多様な用途
アミンはガス処理剤だけでなく、金属加工油、界面活性剤、医薬品原料、香料抽出など、さまざまな分野で活用されています。
製品の性能向上や環境対応の観点からも、アミンの導入は有効です。
3) カスタマイズ性
1級、2級、3級アミンといった構造の違いにより、用途に応じた最適なアミンを選定できる点も大きな利点です。
デメリット
1) 腐食性・毒性のリスク
一部のアミンは高温下で腐食性を示すことがあり、設備材質の選定や防食対策が必要です。
また、吸入や皮膚接触による健康リスクもあるため、適切な安全管理が求められます。
2) 環境負荷への配慮
廃液処理や排ガス中のアミン揮発成分への対応など、環境規制への適合も重要な課題です。
3.当社の取扱いアミン群と取り組み事例
● 取扱いアミン
MDEA(メチルジエタノールアミン)
>>ガス処理、炭素回収(CCUS)、金属加工油・切削油、半導体・液晶分野、香料・抽出溶媒など
MMEA(メチルモノエタノールアミン)
>>金属加工油、界面活性剤、電着塗装、ガス処理補助剤(MDEAとのブレンドで使用)
MEA(モノエタノールアミン)
>>洗浄剤、ガス処理、界面活性剤、pH調整剤、金属加工油、農薬など
DEA(ジエタノールアミン)
>>洗浄剤、ガス処理、界面活性剤、pH調整剤、金属加工油、農薬など
TEA(トリエタノールアミン)
>>化粧品、パーソナルケア、医薬品、金属加工油、セメントの粉砕助剤など
DCHA(ジシクロヘキシルアミン)
>>金属加工油、防錆剤、界面活性剤、農薬、ゴム薬品・加硫促進剤など
MIPA(モノイソプロパノールアミン)
>>洗浄剤、金属加工油、界面活性剤、塗料・ワニスなど
● 取り組み事例
INEOS Gas Spec社との総代理店契約締結(MDEA、MMEA)
>>高品質な製品の安定供給と、技術的なサポート体制を強化。
顧客ニーズに応じたカスタム対応
>>INEOS Gas Specの技術力を活かし、用途に応じた処方提案や製品調整が可能。
東西拠点での在庫販売・小口対応
>>納期対応力と柔軟な供給体制により、安定した取引を実現。
高純度・高安定性の製品供給
>>品質管理体制のもと、信頼性の高いアミン製品を提供。
こちらに記載のないアミンのご紹介も可能です。詳細は当社・化学品部までお気軽にお問い合わせください。
2025.01.23
輸入品ジエチレングリコール、タンク在庫販売事業について
かねてより韓国品、タイ品、中国品のジエチレングリコール(DEG)を輸入販売してきた当社ですが、
昨年11月、京浜地区でストレージタンク(500KL)を賃借し、国内で輸入品DEGの在庫販売を開始いたしました。
DEGは、モノエチレングリコール(MEG)の副産物となりますが、MEGは供給過多にあり、市況が悪い状況が継続しております。
そのような状況下、国内EGメーカーはMEGの生産量を減らすため、結果として国内のDEG生産量が減少し、輸入品への需要が増大しております。
実際に、2022年の大手石化メーカーのEG減産以降、国内需要家から輸入品DEGを求める声が高まっており、以前は5000トン前後だった輸入品が、2023年には1万トンに増加しました。
当社としては、ただ安いDEGを輸入販売するのではなく、「いかに安定供給体制を構築するか」という点に焦点を当て、今回のストレージタンク確保に至りました。
ストレージタンクの確保に伴い、タンクローリーでの販売体制も整えております。また、小分け対応を実施しており、ドラム単位での販売も可能です。
長期的な目線で、日本国内の需要家のモノづくりを支えるべく、輸入品DEGの供給体制をより盤石にしたいという考えです。
2024.10.17
生物発酵で作るセバシン酸
セバシン酸は二塩基酸の一種で、炭素数10個から成る長鎖二塩基酸です。
従来、セバシン酸はひまし油を原料にして製造しており、製造工程は下記のようになっています。
①ひまし油をグリセロールと脂肪酸の混合物に加水分解します。
②①の混合物を精製してひまし油酸を作ります。
③ひまし油酸をフェノールを介して高温高圧下環境でセバシン酸とオクタノールに生成します。
これに対し、生物発酵法では、
①ノルマルパラフィンを微生物(菌)が食べます。
②その菌から排出される酸を分溜工程を経て、DC10からDC18までの異なる炭素数の二塩基酸の製造を可能としています。
また製造工程では、生物が活発に動けるよう常温常圧になっています。
このように生物発酵で作るセバシン酸は従来の製法と大きく異なっており、
2022年に世界で初めて中国のCathay Biotech Inc.(以下、CATHAY社)が開発に成功しました。
そして現在も生物発酵でセバシン酸を製造する唯一のサプライヤーとして世界の二塩基酸市場を席巻しています。
生物発酵で作るセバシン酸は原料こそ石化由来ですが製造工程において二酸化炭素の排出量を大幅に減らすことに成功したため、
トータルでの二酸化炭素の排出量を測る指標であるGHGスコアを40%削減することができました。
菌がノルマルパラフィンを食して酸を作る、とてもユニークな発想は、残念ながらCATHAY社の技術の肝になるため、詳細は開示されていませんが、SDGsが叫ばれる昨今、世界でシェアを広げている理由がここにあると思われます。
弊社とCATHAY社は約10年にわたるお付き合いの中で、現在はセバシン酸およびドデカン二酸を中心に国内各所に在庫拠点を設けながら販売しております。
来日、訪中をお互いに繰り返し、人的交流を活発に行っております。
今後もより良い製品の提供ができるようCATHAY社とともに連携していきます。
2023.02.07
再生ベースオイル(Re-refined base oils) に関する取り組みについて
潤滑油は主にベースオイルと添加剤で構成されますが、
弊社潤滑油部門では、再生ベースオイル/再生基油(Re-refined base oils)の三国間貿易を行っており、同時に日本での普及も推進しております。
日本では、エンジンオイル等の使用済潤滑油が毎年60万KL発生しその大部分が再生重油としてサーマルリサイクルされております。
弊社では古くから国内外で再生重油製造事業者様と共にそういった再生燃料の普及促進を行ってきました。
一方、欧米では使用済み潤滑油は化学的に再精製(溶剤/水素化/薄膜蒸留等)し再生基油として再度潤滑油に戻すマテリアルリサイクルが一般的です。(欧州55%、米国50%)
品質上バージン基油と同等と見なされ、EU全体で販売されている潤滑油の内13%は再生基油が使用されており、イタリアでは30%に達しております。
日本でも2050年カーボンニュートラル宣言以降、CO2排出を伴わない使用済み潤滑油のマテリアルリサイクルについて議論が深まってきました。
再生基油は、GEIR(欧州廃油再精製産業協会)によると製造過程で排出されるCO2の50%以上が削減されることがいくつかのLCAで確認されてます。
BCPの観点からも輸入原料である原油や製油所稼働に依存する事なく安定供給が確保できる再生基油はベースオイルの安定供給につながります。
日本で再生基油が一滴も製造されていない現状において、需要創出、OEMの承認と保証、社会システムの構築は容易ではなく段階的に推進していく必要があります。
まずは、グローバルOEM向けの実績を積み重ねてきた再生基油の輸入品の国内普及を促し、最終的に国内精製品を有効活用していく形での社会実装が最も現実的と言え、阪和興業ではその輸入、国内再精製の両面において、様々な働きかけを行っております。
弊社は従来から海外で製造されている再生基油の取り扱いを行っており、唯一の再生べースオイル輸入商社として、潤滑油品質委員会にオブザーバーとして参加し各国の製造業者へのヒアリング、交渉及び、サンプル評価も行っております。
経済産業省の委託調査事業、「潤滑油の安定供給に向けた原料確保の多様化に関する調査・分析事業」に関して、弊社のヒアリング内容が掲載されておりますので、ご参照ください。
2022年 潤滑油の安定供給に向けた原料確保の多様化に関する調査・分析事業調査報告書
(P31~)
2021年 潤滑油の安定供給に向けた原料確保の多様化に関する調査・分析事業調査報告書
(P28~)
担当課室名:資源エネルギー庁 資源・燃料部石油精製備蓄課
委託事業者名:一般社団法人潤滑油協会
再精製基油に加えて、カーボンニュートラル基油、バイオマス基油、その他植物由来化学品等、様々なサスティナビリティに関する化学品について、以下、フォームからお気軽にお問い合わせ頂けましたら幸いです。
※参考
-阪和興業は、戦後、不要船舶を解体してスクラップや重油の販売を行っておりました。歴史的にリサイクルに関するビジネスに古くから関わっており、金属スクラップ(子会社:昭和メタル等)、古紙のトレーディング、タイヤチップの輸入販売、廃プラと紙を固めたRPF燃料製造(子会社:西部サービス)、バイオマス燃料の輸入販売(PKS、ウッドペレット)等、リサイクル事業を通じたカーボンニュートラル社会の実現に向けた取り組みを推進しております。
2022.01.07
尿素危機、現況と阪和興業の取組み
昨年10月より始まった中国の尿素輸出規制後、尿素不足により世界的に混乱が続いた。日本国内においても基礎化学品である尿素を必要とする事業が多く、あらゆる産業で尿素不足における影響が出始めていた。未だ国内需要に対する供給が逼迫している状況にあり、各社向こう数カ月は混乱が続くとみている。
その中、当社では昨年より、日本国内での需要を守るべく様々な対策を講じてきた。
昨年5月頃より中国国家開発改革委員と国内主要肥料メーカー各社との間で、国内価格および供給に関して度重なる会談が行われており、例年とは違った動向となることを予め当社では予想できていた為、中国からの輸入量の増量をおこなった。
日本国内向けの尿素輸入数量の半分近くは中国に頼っていることもあり、中国尿素が輸入されないと日本の産業にも大打撃を受けてしまう為、その危機に備え中国以外の各国からの尿素輸入を進めた。東南アジア諸国や欧州、中東、ロシアからの尿素仕入を次々と行い、現在国内需要向けの在庫として確保している。
国内品尿素の取扱数量も多く、尿素を必要とする国内需要家の皆様に平等に商品が渡る様、全国の在庫拠点に十分な在庫を行っている。
お問い合わせは阪和・化学品チームまで (TEL: 03-3544-2276 / chemical_team@hanwa.co.jp)
2021.11.25
尿素、今何が起きているのか?
世界中で様々な用途に使用される尿素。国際的な尿素の逼迫が叫ばれているが、今一体何が起きているのか?
世界全体の尿素生産量の約3分の一に相当する約7千万MTが中国国内で生産されている。各国への輸出量も世界の尿素貿易数量の1割強を占め、世界的に中国に頼る体制となっていた(2020年末時点)。その中、中国政府は2021年10月15日より尿素を含む肥料原料に対して法定検査(CIQ=China Inspection Quarantine)を開始することを決め、実質輸出規制がされることとなった。
中国輸出規制の背景
2020年、新型コロナの影響により世界的に尿素及び肥料需要が縮小し価格も下落傾向にあった。2021年に入ると各国の尿素需要が回復(主に肥料需要)し、加えて、尿素原料となる天然ガス・石炭価格が上昇。製造コスト上昇と需要の急増により国際的に尿素価格が過去最高水準に達した。中国からの各国への輸出量は8月時点で前年比の4割強増え、輸出価格が国内価格を大きく上回った。このことから中国政府が国内需要への供給確保を不安視し、更に急騰する価格を是正国内供給の安定化を図る為、輸出規制に踏み切った。
CIQが出される迄の経過として、中国国家開発改革委員会と中国主要肥料メーカー間で5月頃より9月にかけ幾度も会談が行われた。委員会としては①国内価格の安定化 ②国内供給の確保 ③農家へのサポート をメーカー側に求めたという。
10月15日以降は一切の輸出が許されず、各国にて混乱が発生。その中でも取り分け100%を輸入に頼る韓国では肥料向けだけでなく、車用脱硝用尿素水(AdBlue)用の尿素も不足し、車関連の物流問題にも至っている。各メディア報道の通り、韓国では政府主導で中国政府や各国からの尿素調達を動き始めている。11月初旬には韓国政府から外務省を通じ、中国に尿素支援を求めたことにより、CIQ検査の審査合格を早めることができ、11月23日、規制後初めて韓国の港に中国品尿素が到着した。
韓国に限らず世界各国での尿素不足は深刻化している。多様な用途で使用される化学品であるからこそ、多方面の産業に思わぬ影響をもたらす可能性がある。
当社では中国以外の様々な国からの尿素関しても多数取扱いを行っており、更にこれを機にソースを増やしている。
お問い合わせは阪和興業・化学品チームまで (chemical_team@hanwa.co.jp)。



