コラム
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2026.09.07
塗料の中で、溶剤は最後に消えてしまう? ~塗った後には残らないのに、仕上がりを左右する「溶剤」の役割~
私たちの身の回りには、自動車、家電、建物、橋、工場設備など、さまざまな「塗装されたもの」があります。
そんな塗料の中には、樹脂や顔料、添加剤などとともに、「溶剤」が使われているものがあります。
ところが、この溶剤。実は塗装した後、乾燥する過程でその多くが蒸発していきます。
「最後になくなってしまうなら、溶剤は単に塗料を薄めるためのものでは?」と思われるかもしれませんが実際には、塗料がきれいな塗膜になるまでの過程で、溶剤は非常に重要な役割を担っています。
そもそも塗料は何でできている?
塗料の種類によって異なりますが、一般的な溶剤系塗料は、大きく次のような材料から構成されています。
① 樹脂
塗膜の骨格となる成分です。塗装したものを保護したり、塗膜を素材に密着させたりする役割があります。
② 顔料
色を付けたり、下地を隠したりする役割があります。防錆などの機能を持つものもあります。
③ 添加剤
塗料の流れ方、泡立ち、分散性などを調整するために少量使用されます。
④ 溶剤
樹脂などを溶かし、塗料の粘度や流動性を調整して「塗りやすい状態」にする役割を担います。
つまり溶剤は、塗料そのものの性能だけではなく、「どう塗るか」「どう乾かすか」を支える存在ともいえます。
「早く乾く溶剤=良い溶剤」ではない?
塗装する側からすると、「早く乾いた方が生産性も上がるし、良いのでは?」と思うかもしれません。
ところが、必ずしもそうではありません。
溶剤の蒸発が速すぎると、塗料が十分に流れて表面が平らになる前に固まり始め、レベリング不足などによって仕上がりが悪くなることがあります。また、条件によっては白化などの塗装不良につながる場合もあります。
反対に、溶剤の蒸発が遅すぎると、塗料が流れすぎて「タレ」が発生したり、乾燥に時間がかかったりすることがあります。
つまり、速すぎてもダメ。遅すぎてもダメ。この絶妙なバランスが、きれいな塗膜を作るポイントです。
夏と冬でも、溶剤の選び方が変わる?
同じ塗料でも気温などの塗装環境によって乾燥条件が変化します。
一般的に気温が高くなると溶剤は蒸発しやすくなります。
そのため夏場などでは、蒸発速度の速い溶剤だけでは乾燥が進みすぎる場合があり、比較的ゆっくり蒸発する溶剤を組み合わせて蒸発速度を調整することがあります。
反対に気温の低い環境では溶剤が蒸発しにくくなり、乾燥に時間がかかる場合があります。
塗料メーカー様では、こうした塗装環境、塗装方法、樹脂との相性、必要な乾燥時間などを考慮しながら、複数の溶剤を組み合わせています。
塗料は、季節や使用環境まで考えて設計されているのです。
最後には消えてしまう。でも、仕上がりを左右する。
塗装が終わり、きれいな塗膜が完成したとき、溶剤の多くはすでに蒸発しています。
完成した製品だけを見れば、溶剤が活躍したことはほとんど分かりません。
しかし、その塗膜ができるまでには、
樹脂を溶かす。
塗りやすい粘度にする。
塗料をきれいに流す。
そして、適切な速度で蒸発する。
という溶剤の仕事があります。
「最後には消えてしまうけれど、きれいな塗膜を作るためには欠かせない。」
そんな“縁の下の力持ち”が、塗料に使われる溶剤なのです。
阪和興業では各種溶剤を取り扱っています
阪和興業では、各種塗料・コーティング用途・インキなどに使用される溶剤を国外から幅広く取り扱っております。
<主な取扱溶剤>
・グリコール系溶剤
MEG、DEG、TEG、PG、DPG、PEG など
・グリコールエーテル系溶剤
BGE、BDGE、BGA、BDGA、EDGE、MDGE、IPGE、DpNB など
・高沸点溶剤
高沸点溶剤100/150/300 など
・その他溶剤類
アセトン、MIBK、DMSO、THFなど
溶剤の新規調達、海外品への切り替え、BCPを目的とした複数購買、コストダウンなどをご検討の際は、ぜひお気軽にお問い合わせください。



